こんにちは。車中泊バンライフ 運営者の「ホシ」です。

車中泊用のサブバッテリーを組む際、リレーとアイソレーターの違いやおすすめの走行充電器がどれか迷う方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、充電制御車やリン酸鉄リチウム電池には昇圧機能付きDC-DC走行充電器を選ぶのが安全で確実な方法となります。

今回は第二種電気工事士の視点で、各方式の仕組みと配線手順をまとめました。

この記事のポイント

  • リレーとアイソレーターと昇圧走行充電器の構造差
  • 充電制御車やリン酸鉄リチウム電池との相性と注意点
  • 30Aと50Aの出力別に比較した走行充電時間の目安
  • 車両火災を防ぐケーブル太さとヒューズの安全設計

サブバッテリーのリレーとアイソレーター違いおすすめ

バンのエンジンルーム脇でメインバッテリーからサブバッテリーへの充電ルートをデジタルテスターで点検する若い日本人男性
充電制御車のオルタネーター電圧変動やリン酸鉄リチウムイオン電池の特性に合わせてリレーとアイソレーターを使い分けることが重要だ

私が初めて軽バンにサブバッテリーを積んだ頃は、数千円の電圧感知型リレーを取り付けたものの、充電制御車の電圧低下が原因で3時間走っても充電されず、冬の車中泊で暖房が止まって凍えた苦い失敗があります。

サブバッテリーのリレーとアイソレーター違いおすすめの判断基準を押さえておけば、あなたの愛車のオルタネーター発電力を無駄なく活かして、移動するだけで十分な電力を蓄えることが可能です。

まずは「リレー」「従来型アイソレーター」「昇圧機能付きDC-DC走行充電器」という3つの方式の決定的な構造差から、順番に見ていきましょう。

走行充電の基本構造と3つの方式の決定的な差

車中泊用のサブバッテリーを走行中に充電する機器には、大きく分けて「①リレー方式(電磁リレー・電圧感知型リレーVSR)」「②従来型アイソレーター方式(昇圧なし)」「③昇圧機能付きDC-DC走行充電器方式」の3種類が存在します。

ネット通販やブログではこれら3つがすべて「アイソレーター」や「走行充電器」とひとくくりに呼ばれていることもありますが、内部の電気回路はまったくの別物です。

まず1つ目の「リレー方式」とは、エンジン始動(ACC通電または電圧上昇)を合図に内部の金属接点をバチンと閉じ、車両のメインバッテリーと荷室のサブバッテリーを1本の銅線で物理的に直結(並列接続)するだけのシンプルな電磁スイッチを指します。

構造が単純で3,000円〜6,000円前後と安価な反面、電圧を調整する機能も電流の上限を抑えるリミッター機能も一切持たないため、2つのバッテリーの電位差(電圧の差)だけで成り行き任せに電気が流れる仕組みなのです。

次に2つ目の「従来型アイソレーター(サブバッテリーチャージャー)」は、内部に半導体(FETやダイオード)と制御回路を組み込み、エンジン停止時のサブからメインへの逆流を防ぎつつ、メインバッテリー側の充電を優先してからサブ側へ電流を流す分配器となります。

ただし、従来型アイソレーターには「低い電圧を高い電圧へ引き上げる昇圧回路」が入っていないため、車両の発電機(オルタネーター)から送られてくる電圧以上の電圧をサブバッテリーへ出力することは構造上できないという限界があるのです。

そこで現在の主流となっているのが、3つ目の「昇圧機能付きDC-DC走行充電器(最新型アイソレーター)」です。

内部にDC-DCコンバーター(昇降圧回路)とマイコンを搭載しており、車両側の電圧が12V台に下がっていてもサブバッテリーが求める14.2V〜14.6Vへきっちり昇圧し、しかも設定された電流値(30Aや50A)を超えないよう安全に定電流・定電圧制御を行ってくれる頼もしい頭脳派機器と言えます。

充電制御車のオルタネーター電圧変動と充電不足

「昔乗っていたバンでは安いリレーや旧型アイソレーターでもサブバッテリーが満充電になったのに、今の車に乗り換えたら全然充電されなくなった」という相談が近年急増しています。

その原因は、2000年代中盤以降のほとんどの国産車(エブリイ、ハイゼット、N-VAN、ハイエース等を含む)に標準採用されている「充電制御システム(スマートオルタネーター)」にあるのです。

昔の自動車は、エンジンが回っている間はずっとオルタネーターが「14.0V〜14.4V」の高い電圧を発電し続けていたため、単純なリレーで直結するだけでも電位差によってサブバッテリーへ電気が流れ込みました。

しかし現代の充電制御車は、エンジンの回転負担を減らして燃費を向上させるため、メインバッテリーが満たされると通常走行中にオルタネーターの発電を停止・抑制し、車両電圧を「11.5V〜12.5V程度」まで意図的に引き下げる制御を行っているのです。

株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーションの技術資料でも解説されている通り、充電制御車は減速時(回生時)やメインバッテリーの充電率が下がったときだけ14V以上で発電し、定速走行時は発電を止めて放電状態になるという電圧変動を繰り返す特性を持っています(出典:株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーション『GS Yuasa Technical Report:充電制御システム搭載車用バッテリー』)。

このような充電制御車に、メイン電圧が13.3V以上のときだけ繋がる「電圧感知型リレー(VSR)」や昇圧機能のない旧式アイソレーターを付けるとどうなるでしょうか。

エンジンを掛けて最初の数分間は14Vで充電されるものの、一定速度で走り始めるとすぐに車両電圧が12.4V前後に落ち込み、リレーが「エンジンが止まった」と勘違いして回路を切ってしまいます。

さらにACC連動リレーで無理やり直結し続けたとしても、車両側が12.2Vまで下がれば満充電電圧12.8V〜13.4Vのサブバッテリー側の方が電圧が高くなり、逆にサブバッテリーから車両側へ電気が吸い出されてしまう現象まで起きるため、充電制御車には「昇圧機能付きDC-DC走行充電器」が必須となるのです。

れいちゃん
れいちゃん
最近のエコカーや軽バンって、走っている最中に燃費を良くするために発電機を休ませている時間があるんだね!
ホシ
ホシ
そうなんです!走行中に電圧が12V台まで下がってしまうので、12Vを14.4Vへ引き上げる「昇圧機能」がないとサブバッテリーにはほとんど電気が入らないんですよ!

リン酸鉄リチウムイオン電池に昇圧器が必須な理由

車中泊バンの木目調荷室に設置された無地のリン酸鉄リチウムイオンサブバッテリーと昇圧機能付きDC-DC走行充電器を確認する若い日本人男性
14.2V〜14.6Vの充電電圧が必要なリン酸鉄リチウムイオンサブバッテリーには昇圧機能付きDC-DC走行充電器(アイソレーター)が適している

充電制御車であること以上に、「リレー方式」や「旧型アイソレーター」を使ってはいけない決定的な理由が、現在の車中泊で主流となった「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)」の電気的特性にあります。

もしあなたがサブバッテリーにリン酸鉄リチウムイオン電池を選ぶなら、電流制限機能を持たないリレーで鉛メインバッテリーと直結することは絶対に避けてください。

なぜなら、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは従来の鉛ディープサイクルバッテリーに比べて「内部抵抗が約5分の1〜10分の1と極めて小さい」ため、直結した瞬間に制御不能なほどの大電流(80A〜120A以上)が一気に流れ込んでしまうからです。

電気の世界には「オームの法則(電流A = 電位差V ÷ 抵抗オーム)」という物理法則があり、受け手側のバッテリーの内部抵抗が極端に小さいと、まるでダムの決壊のようにオルタネーターから限界を超える電流が吸い出されます。

特に軽バンのオルタネーターは最大発電能力が「55A〜65A程度」しかないため、そこにリレー直結で80A以上の負荷がかかり続けると、ヒューズが焼き切れるだけでなく、数万円するオルタネーター本体が過熱して故障してしまうでしょう。

さらに電圧の面でも、鉛バッテリーの満充電時の静止電圧が「約12.6V〜12.8V」であるのに対し、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは静止電圧が「約13.3V〜13.4V」と高く、満充電にするには「14.2V〜14.6V」の安定した充電電圧をかけ続ける必要があります。

昇圧機能のないリレーや旧式アイソレーターでは、配線途中の電圧降下も相まって13.5V前後しか届かず、いつまで走ってもリチウムバッテリーを60%〜70%程度までしか充電できません。

その点、リン酸鉄対応の「昇圧機能付きDC-DC走行充電器」であれば、①流れる電流を定格(30Aや40A)以下にピタッと抑える定電流制御(CC)と、②電圧を14.4V〜14.6Vへ引き上げる定電圧制御(CV)の両方を自動で行うため、オルタネーターとリチウム電池の双方を安全に守りながら100%満充電にできるのです。

リレーとアイソレーターと走行充電器の性能比較

ここまで解説してきた仕組みを踏まえ、「①機械式・電圧感知型リレー(VSR)」「②従来型アイソレーター(昇圧なし)」「③昇圧機能付きDC-DC走行充電器」「④ポータブル電源専用オルタネーターチャージャー」の4つを比較してみましょう。

どの機器を選ぶべきかは、「愛車が充電制御車かどうか」と「サブバッテリーが鉛かリン酸鉄リチウムか」の掛け合わせで決まります。

現代の車中泊で最もおすすめできる選択肢は、充電制御車にもリン酸鉄リチウムイオンバッテリーにも完全対応した「③昇圧機能付きDC-DC走行充電器」です。

本体は約15,000円〜30,000円前後しますが、1時間の走行で30A(約384Wh)〜50A(約640Wh)を充電でき、過電流や逆流を防げるため費用対効果に優れています。

一方で、「非充電制御車に乗っており、安価な鉛バッテリーを補助的に充電したい」というケースであれば、「②従来型アイソレーター」でも運用は可能です。

また、「手持ちの大容量ポータブル電源を走行中に急速充電したい」という方には、「④ポータブル電源専用の走行充電器(500W〜800W出力)」を選ぶ方法も人気を集めています。

充電機器の方式・種類 昇圧機能と電流制限 充電制御車・リチウム対応 本体価格目安とおすすめの用途
①電磁リレー・VSR(電圧感知) 昇圧なし / 電流制限なし 充電制御車:不向き / リチウム:不可 約3,000円〜8,000円。旧車×小容量鉛バッテリーの簡易接続向け
②従来型アイソレーター 昇圧なし / 電流制限あり 充電制御車:不向き / リチウム:不向き 約12,000円〜25,000円。非充電制御車で鉛ディープサイクルを使う方向け
③昇圧DC-DC走行充電器 14.4V昇圧あり / 定電流制御 充電制御車:対応 / リチウム:完全対応 約15,000円〜35,000円。現代のリン酸鉄サブバッテリー構築の第一推奨
④MPPT内蔵DC-DC走行充電器 14.4V昇圧+ソーラー制御 充電制御車:対応 / リチウム:完全対応 約24,000円〜36,000円。走行充電とソーラーパネルを1台にまとめたい方向け
⑤ポータブル電源専用走行充電器 48V等へ高圧昇圧 / 500〜800W 充電制御車:対応 / ポタ電:完全対応 約45,000円〜88,000円。生電池を組まずポータブル電源を急速充電したい方向け
れいちゃん
れいちゃん
こうして表で見比べると、今の車でリン酸鉄リチウムバッテリーを使うなら「昇圧DC-DC走行充電器」一択だということがよく分かるね!
ホシ
ホシ
はい!ソーラーパネルも一緒に繋ぎたいなら④のMPPT内蔵型、走行充電だけでシンプルに組むなら③の単体昇圧モデルを選ぶと無駄がありませんよ!

スタイル別に選ぶ30Aと50Aの充電時間目安

昇圧機能付きDC-DC走行充電器を選ぶと決めたら、次に迷うのが「出力電流20A・30A・40A・50Aのうち、どのアンペア数を買えばいいのか?」という容量選定です。

「数字が大きい50Aの方が早く充電できて良いのでは?」と思われがちですが、必ず愛車の「オルタネーター(発電機)の定格発電容量」に合わせて上限を決める必要があります。

なぜなら、車両のオルタネーターが発電する電気は、まず「エンジンの点火・ヘッドライト・エアコン・ワイパー」といった車が走るための保安部品に25A〜35Aほど優先的に消費されるからです。

たとえば軽バンのオルタネーター容量は「55A〜65A程度」であるため、夜間にライトとエアコンを動かすと、余剰の発電力は「25A〜30A前後」しか残りません。

そこに50Aの大出力走行充電器を繋いでフル稼働させると、発電量だけでは足りなくなり、メインバッテリーの電気まで削り取ってバッテリー上がりを招く恐れがあるため、軽バンには「20A〜30A」が適正サイズとなります。

一方、ハイエースなどの普通車・ミニバンであれば、オルタネーター容量が「100A〜130A以上」と余裕があるため、「40A〜60Aクラス」を安心して稼働させることが可能です。

実際に「30Aモデル」と「50Aモデル」で1時間〜2時間走ったときにどれだけの電力(Wh)が貯まり、家電が何時間使えるのかを計算したシミュレーションを下の図解で確認してみましょう。

① 軽バン・コンパクトカーに最適な「30A走行充電器」(充電出力:約384W)の目安

1時間の走行で約30Ah(12.8V換算で約384Wh)を蓄電。わずか1時間強のドライブで、冬の電気敷き毛布(50W×8時間=400Wh)一晩分の電力を丸ごと回収できます。

② 普通車・ミニバンに好適な「40A走行充電器」(充電出力:約512W)の目安

1時間の走行で約40Ah(約512Wh)、2時間走行で約1,024Whを蓄電。100Ah(1,280Wh)のリン酸鉄サブバッテリーを残量20%から約2時間で満充電にできます。

③ ハイエース・大型バンコン向けの「50A〜60A走行充電器」(充電出力:約640W〜768W)の目安

2時間の走行で約100Ah(約1,280Wh〜1,536Wh)を蓄電。電子レンジやIH調理器、12V車載クーラーを多用する200Ah〜300Ahの大容量システムにぴったりです。

サブバッテリーでリレーやアイソレーター違いおすすめ

作業テーブルの上で無地のDC-DC走行充電器と太い赤黒の配線ケーブルおよび丸型圧着端子を並べて確認する若い日本人男性
出力電流30A〜50Aの走行充電器(アイソレーター)を導入する際は電流値に見合った太さのケーブルとヒューズをセットで揃えよう

ここからは、サブバッテリーでリレーやアイソレーター違いおすすめの実践編として、日本のバンライファーやビルダーから高い評価を得ている具体的な走行充電器の代表モデルと選び方を解説していきます。

さらに、30A〜50Aという大きな直流電流をエンジンルームから荷室まで安全に流すために欠かせない「配線ケーブルの太さ(スケア数)」と「ヒューズ容量」の計算基準、そして車両火災を防ぐ配線ステップも詳しくまとめました。

第二種電気工事士の施工ノウハウをそのままあなたのDIYに活かせるよう、順を追って確認していきましょう。

リン酸鉄対応の最新走行充電器と注目モデルの選定

現在、車中泊のサブバッテリー構築で選ばれている走行充電器の中から、実績と安全性の揃った代表的なシリーズを比較して紹介します。

まず、DIY派の間で高いシェアを持つ定番機が、「Renogy(レノジー)のDC-DC走行充電器シリーズ(単体20A/40A/60A、およびMPPT内蔵型のDCC 30A/50A)」です。

スイッチ切り替えだけでリン酸鉄リチウム(LiFePO4)や鉛電池の充電電圧を設定でき、ロックしたリチウム電池を復帰させる機能も備えています。

次に、小型軽量で導入しやすいのが「RedodoやLiTimeの40A走行充電器」で、同社のリン酸鉄電池と相性良く設計されているのが魅力です。

そして国産メーカーの信頼性を求める方に愛されているのが、株式会社ニューエラー(New-Era)の昇圧モデル「SBC-004(12V専用・最大30A・充電制御車対応)」となります(出典:株式会社ニューエラー公式『走行充電器(サブバッテリーチャージャー)製品仕様一覧』)。

さらに、ポータブル電源を主電源にするなら、最大800Wで充電と逆充電までこなす「EcoFlow Alternator Charger」が画期的な選択肢となるでしょう。

代表的な走行充電器モデル 定格出力電流・電力 主な機能・対応バッテリー 実売価格目安とおすすめの車種・用途
①Renogy DCC 30A / 50A 30A(384W)/ 50A(640W) 昇圧+MPPTソーラー内蔵・LiFePO4対応 約24,000円〜34,000円。走行充電とソーラーを1台で完結させたい軽バン・普通車に好適
②Renogy 単体DC-DC 20A / 40A 20A(256W)/ 40A(512W) 昇圧CC/CV制御・LiFePO4スリープ復帰 約15,000円〜23,000円。ソーラー不要でシンプルにリン酸鉄を充電したいDIY派の定番
③Redodo / LiTime 40A充電器 40A(約512W) 昇圧・逆流防止・過熱保護・LiFePO4専用モード 約16,000円〜22,000円。同ブランドの100Ah〜200Ahリン酸鉄バッテリーとの統一構築に最適
④ニューエラー SBC-004 最大30A(昇圧時は最大10A) 昇圧機能搭載(14.5V)・ACC連動対応 約25,000円〜32,000円。国産品質を重視し充電制御車で鉛や一部リチウムを使う方向け
⑤EcoFlow Alternator Charger 最大500W / 800W(アプリ可変) 高圧昇圧+メインバッテリーへの逆充電機能 約45,000円〜88,000円。ポータブル電源や汎用リン酸鉄を約1.3時間で急速充電したい方向け

配線ケーブルの太さと大電流ヒューズの安全な選び方

走行充電器(アイソレーター)の性能を100%引き出し、なおかつ被覆溶融や車両火災を確実に防ぐために最も重要なのが、「配線ケーブルの太さ(断面積:sq=スケア)」と「大電流ヒューズ(ANLヒューズ・MIDIヒューズ)」の正しい選定です。

家庭のAC100Vと違い、自動車のDC12V回路は電圧が約8分の1と低いため、同じワット数を送るのにも約8倍もの巨大な電流(アンペア)が流れます。

たとえば30A〜50Aの走行充電器は、入力側(メインバッテリー側)の電圧が12.0Vに下がっているとき、昇圧分のエネルギーを補うために入力ケーブルには定格の約1.2倍〜1.3倍にあたる「38A〜65A前後」もの大電流が連続して流れる計算になるのです。

しかもメインバッテリーから荷室のサブバッテリーまでは片道4m〜6m(往復8m〜12m)もの配線距離があるため、5.5sqや8sqといった細い電線を使うと、電線自体の抵抗によって電圧が1V以上落ちる「電圧降下」と異常発熱が発生します。

そのため、片道5m前後の引き回しを行う場合、20A〜30Aの走行充電器なら最低でも「14sq(AWG6相当)」、40A〜50Aの走行充電器なら必ず「22sq(AWG4相当)」の柔軟で耐熱性に優れたKIV線(電気機器用ビニル絶縁電線)またはOFCパワーケーブルを選んでください。

そして、万が一の車体ショート時に回路を瞬時に遮断するヒューズは、充電器の最大入力電流の「約1.25倍〜1.5倍」かつケーブルの許容電流以下となる容量(30A機なら50A〜60A、50A機なら70A〜80AのANLヒューズ)を必ずセットで用意しましょう。

第二種電気工事士が推奨!走行充電器の出力別「ケーブル太さ(sq)&ヒューズ容量」早見基準

  • 20Aクラスの走行充電器:推奨ケーブル太さ 8sq 〜 14sq(AWG8〜AWG6) / 推奨ヒューズ容量:30A 〜 40A
  • 30Aクラスの走行充電器(軽バン最適):推奨ケーブル太さ 14sq(AWG6・長距離は22sq) / 推奨ヒューズ容量:50A 〜 60A
  • 40A〜50Aクラスの走行充電器(普通車向):推奨ケーブル太さ 22sq(AWG4) / 推奨ヒューズ容量:60A 〜 80A(ANLヒューズ等)
れいちゃん
れいちゃん
30Aの充電器には14sq、50Aの充電器には22sqという太い銅線を使うことで、途中で熱を持ったり電圧が落ちたりするのを防げるんだね!
ホシ
ホシ
その通りです!ケーブルの太さをケチるとせっかく昇圧した電力が熱として逃げてしまうので、1ランク太めのKIV線を選ぶのが安全で高効率ですよ!

車両火災やメインバッテリー上がりを防ぐ配線手順

車内のサブバッテリープラス端子付近で無地のヒューズホルダーと太い赤黒ケーブルを絶縁レンチで安全に固定する若い日本人男性
メインバッテリーとサブバッテリー双方のプラス端子から30cm以内に大電流ヒューズを設置しコルゲートチューブで被覆を保護することが安全の鉄則だ

必要な機材が揃ったら、車両火災やメインバッテリー上がりを絶対に起こさないための「4つの安全配線ルール」を守って施工を進めましょう。

作業を始める前には、金属レンチが車体ボディアースに触れて火花が散る短絡事故を防ぐため、必ず車両メインバッテリーの「マイナス端子(黒)」を真っ先に外してビニールテープ等で絶縁養生しておくことが鉄則となります。

そのうえで1つ目の最優先ルールは、「メインバッテリーのプラス端子から30cm以内」と「サブバッテリーのプラス端子から30cm以内」の合計2箇所(両端)に必ず大電流ヒューズを設置することです。

初心者が最もやりがちな危険なミスとして、メインバッテリー側にだけヒューズを入れて、後ろのサブバッテリー側のヒューズを省略してしまうケースが挙げられます。

もし車体の鉄板エッジでプラス線の被覆が擦れてボディアースへショートした場合、メイン側のヒューズが切れても、後ろにいるサブバッテリーからショート箇所へ向かって数百アンペアの電流が逆流し続け、ケーブルが真っ赤に焼けて火災になってしまいます。

2つ目のルールは、エンジンルームや床下から車内へケーブルを引き込む際、鉄板の貫通穴には必ず「ゴムグロメット」をはめ込み、ケーブル全長に「難燃コルゲートチューブ」を被せて擦れを二重に保護することです。

3つ目のルールとして、14sqや22sqの太いケーブルに丸型圧着端子(R14-8やR22-8等)を取り付ける際は、プライヤー等で潰すのではなく、必ず「大型圧着工具(または油圧圧着ペンチ)」を使って規定ダイスで確実に圧着し、熱収縮チューブで絶縁処理を施してください。

そして4つ目のルールが、充電制御車用の「D+(またはIGN:イグニッション連動)信号線」をヒューズボックスのACC電源またはIG電源へ確実に接続し、エンジンが掛かっているときだけ走行充電器が起動する状態を作ることで、停車中のメインバッテリー上がりを完全に防止できます。

れいちゃん
れいちゃん
前のメインバッテリーの近くだけじゃなくて、後ろのサブバッテリーのプラス端子のすぐ近くにもヒューズを入れないと逆流で燃える危険があるんだね!
ホシ
ホシ
はい!「電源(バッテリー)がある場所のプラス端子から30cm以内には必ずヒューズを入れる」というのが車載電装の絶対ルールですので、必ず前後2箇所に設置してくださいね!

サブバッテリーの充電機器に関するよくある質問

ここでは、「サブバッテリー リレー アイソレーター 違い おすすめ」と調べている読者のあなたからよく寄せられる疑問を、Q&A形式でまとめました。

機材を購入する前の最終確認として役立ててください。

Q1. 今まで鉛サブバッテリーで使っていた旧型アイソレーター(SBC-001B等)は、リン酸鉄リチウム電池に交換してもそのまま使えますか?

A. 結論から言うと、そのまま流用するのはおすすめできません。昇圧機能を持たない従来型アイソレーターでは、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが満充電になるための「14.2V〜14.6V」の電圧を作れず、特に充電制御車では半分程度までしか充電できないため、リチウム対応の昇圧DC-DC走行充電器へ交換しましょう。

Q2. マイナス(アース)線は、車の金属ボディに繋ぐ「ボディアース」でも問題ありませんか?

A. 30A〜50Aもの大電流を流す昇圧DC-DC走行充電器では、近年の車体パネルの構造用接着剤や塗装によってボディアースの電気抵抗が大きくなり、電圧降下や充電不良を起こすケースが多発しています。プラス線だけでなくマイナス(黒)線もメインバッテリーのマイナス端子から直接荷室まで引き回す「バッ直マイナス配線」を行うのが最も確実です。

Q3. 走行充電器の「IGN(D+)信号線」はどこから取り出せば簡単ですか?

A. 運転席の足元やグローブボックス裏にある車両ヒューズボックスから、市販の「電源取り出しヒューズ(低背またはミニ平型)」を使って「アクセサリーソケット(シガーソケット)用ヒューズ」または「IG1ヒューズ」から分岐させるのが最も簡単で安全です。キーをON(またはエンジン始動)にしたときだけ12Vが来て、エンジン停止で0Vになる箇所をテスターで確認して接続してください。

Q4. 走行充電器本体は車内のどのような場所に設置すればよいですか?

A. DC-DC走行充電器は12Vを14.4Vへ昇圧する際に本体が熱を持つため、周囲に10cm以上の空間がある風通しの良い場所へ設置する必要があります。また、出力側の電圧降下を最小限に抑えるため、できるだけ「荷室のサブバッテリーから1m以内の近い位置」に固定するのが理想です。

疑問が解消したところで、最後に本記事の重要ポイントを振り返っておきましょう。

サブバッテリーリレーとアイソレーター違いとおすすめ

走行充電システムで満充電になったサブバッテリーを使い車中泊バンの暖かい車内で電気ケトルのコーヒーを楽しむ若い日本人夫婦
愛車のオルタネーター特性とバッテリー種類に合う走行充電器を選べば移動するだけで電気が貯まり自由で快適な車中泊旅が実現する

今回は、サブバッテリーにおけるリレーとアイソレーターと走行充電器の構造的な違いから、充電制御車やリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LiFePO4)に合うおすすめの選び方、そして安全な配線設計まで解説してきました。

車中泊のサブバッテリー充電システムは、一度正しい機材と太いケーブルで組んでしまえば、次の目的地へドライブするだけで自動的に電気が満タンになる頼もしい仕組みです。

本記事で確認した通り、単純な「リレー(電磁リレー・VSR)」や「昇圧機能のない旧型アイソレーター」は、走行中にオルタネーター電圧が11.5V〜12.5Vまで下がる現代の充電制御車ではほとんど充電できず、内部抵抗が低いリン酸鉄リチウム電池を繋ぐと過電流による焼損トラブルを招くため注意が必要となります。

したがって、これからサブバッテリーを組むなら、12V台の入力電圧を14.2V〜14.6Vへ引き上げ、定電流・定電圧(CC/CV)制御で安全に満充電まで導いてくれる「昇圧機能付きDC-DC走行充電器」を選ぶのが間違いのない結論です。

具体的な容量選びとしては、発電容量が55A〜65A前後の軽バンならオルタネーターに無理をさせない「20A〜30Aクラス(1時間走行で約384Wh充電)」、100A以上の大型オルタネーターを持つハイエースや普通車なら「40A〜50Aクラス(1時間走行で約512Wh〜640Wh充電)」を選定しましょう。

また、施工時には①30A機なら14sq・50A機なら22sqの太いケーブルを使ってプラスとマイナスの両方を直接引き回すこと、②メインバッテリーとサブバッテリー双方のプラス端子から30cm以内にANLヒューズ(50A〜80A)を設置することの2点を徹底してください。

私自身、軽バンのサブバッテリーを「リン酸鉄リチウム100Ah+昇圧DC-DC走行充電器30A+14sq両端ヒューズ配線」にアップデートしてからは、雨や曇りが続く冬の連泊旅でも電力不安から解放されました。

ぜひあなたも、今回の比較基準と配線ルールを参考に愛車にぴったりの走行充電器を導入し、いつでも安心で快適な車中泊バンライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。