ポータブル電源の自作は危険?リチウムイオンDIYのリスクと注意点
こんにちは。車中泊バンライフ 運営者の「ホシ」です。
費用を抑えるためにポータブル電源やサブバッテリーの自作を考え、知恵袋で危険性を調べている方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、リチウムイオン電池のDIYは配線の発火や熱暴走の危険が高く、市販のリン酸鉄モデルを選ぶほうが安全で経済的です。
今回は第二種電気工事士の視点で、発火の仕組みと注意点を解説します。
この記事のポイント
- 知恵袋で相次ぐ自作バッテリーの発煙やトラブル実例
- 大電流のショートや圧着不良で配線が燃える物理原理
- 工具や周辺部品を含めた自作と市販品のトータル費用比較
- 車両火災時の保険リスクと安全に組むための必須機材
ポータブル電源の自作バッテリー危険性と知恵袋の声

車中泊やキャンプで家電を自由に使える大容量のポータブル電源は魅力的ですが、市販の1,000Wh超クラスは高価なため、自分で部品を繋いで自作できないかと考える方は少なくありません。
しかし、私自身も第二種電気工事士として軽バンの電装DIYに携わるなかで、見よう見まねで組まれた自作バッテリーが車内で白煙を上げたり、端子が溶けたりした事例を何度も目にしてきました。
まずは知恵袋などで寄せられている失敗相談の中身と、なぜ直流バッテリーのDIYが火災につながりやすいのかという電気工学的な理由を順番に見ていきましょう。
知恵袋で相次ぐ自作サブバッテリーの発火と失敗相談
「ポータブル電源を自作したいけれど本当に安全なのか」と疑問に思って知恵袋を検索すると、経験者や電気技術者から「素人のリチウムイオンDIYはやめたほうがいい」という厳しい回答が並んでいるのに気づくはずです。
なぜこれほど慎重な意見が多いのかというと、実際にネットの動画やブログの表面的な手順だけを真似してバッテリーを組み上げ、あわや車両火災というトラブルに直面した質問者が後を絶たないからにほかなりません。
知恵袋に投稿されている相談のなかでとりわけ多いのが、「12Vバッテリーにインバーターを繋いで電子レンジやケトルを動かしたら、数分でケーブルから白い煙と焦げ臭いにおいが出た」という過電流トラブルです。
乾電池と豆電球を繋ぐ工作と同じ感覚で、プラスとマイナスの線を繋げば電気は流れるため、一見すると初心者でも簡単にポータブル電源が作れたように錯覚してしまいます。
ところが、車中泊で使うドライヤーやIHクッキングヒーターなどの高出力家電を動かした瞬間に、目に見えない箇所で100アンペアを超える大電流が流れ、細い電線やワニ口クリップが一気に焼き切れてしまうのです。
さらに近年では、海外通販サイトで安価に売られている「むき出しの青い角型リチウムイオン生セル」や「マキタ等の電動工具用互換バッテリー」を束ねてポータブル電源を自作しようとする相談も急増しています。
「充電中に4つのセルのうち1つだけが風船のように膨らんで熱い」「バッテリーボックスの中から甘い化学薬品のような異臭が漏れているが使い続けて大丈夫か」といった質問は、電気工事士の目から見ればいつ発火してもおかしくない危険な前兆と言えるでしょう。
しかも、こうした自作バッテリーの恐ろしい点は、組み立てた直後の試運転では問題なく動いているように見えても、半年後や1年後に車中泊の旅先で寝ている真夜中に突然ショートや熱暴走を起こすリスクを抱えていることにあります。
知恵袋の先人たちが口を揃えて警告しているのは、直流大電流とリチウム電池の組み合わせが一歩間違えれば愛車と命を奪う危険を孕んでいるからです。
短絡電流とジュール熱が招く配線被覆の溶融火災原理
では、なぜ家庭のコンセント(AC100V)では細いコードで1,200Wのドライヤーが使えるのに、12Vの自作バッテリーで同じ1,200Wを使うと配線が燃えてしまうのでしょうか。
この疑問を解くカギは、「電力(W)= 電圧(V)× 電流(A)」と、電線が発生する熱量を表す「ジュール熱($Q = I^2 R t$)」の物理法則にあります。
家庭のAC100Vコンセントで1,200Wの家電を動かす場合、電線に流れる電流は「1,200W ÷ 100V = 12A」で済みますよね。
ところが、自作ポータブル電源で主流となる「12Vバッテリー」からインバーターを介して1,200W(変換ロス込みで約1,400W)を取り出すと、電圧が約8分の1(12V)と低いため、電線に流れる電流は「1,400W ÷ 12V = 約117A」という家庭用コンセントの約10倍もの大電流に跳ね上がるのです。
そして、電線や端子で発生するジュール熱は「電流の2乗($I^2$)」に比例するという重大な性質を持っています。
つまり、流れる電流が12Aから120Aへと10倍に増えると、電線や接続部分のわずかな抵抗から発生する熱量は10倍ではなく「10の2乗=100倍」に膨れ上がり、あっという間にビニール被覆を溶かす高温に達するわけです。
さらにリチウムイオンバッテリーは内部抵抗が数ミリオームと極端に低いため、万が一スパナを落としてショートさせると瞬間的に1,000A〜2,000Aを超える短絡電流が放出され、アーク溶接機と同じ高温の火花が飛んで金属端子さえも一瞬で溶融させてしまいます。
「12Vだから感電しないし安全なはずだ」という思い込みこそが、自作バッテリーDIYにおいて最も危険な落とし穴なのです。
家庭用AC100Vと自作12Vバッテリー回路における電流値と発熱量の違い
- 家庭用AC100Vで1,500W使用時:1,500W ÷ 100V = 15A(一般的な2.0sqコードで通電可能)
- 自作DC12Vで1,500W使用時(効率85%):1,500W ÷ 0.85 ÷ 12.8V = 約138A(約9.2倍の大電流が流れる)
- ジュール熱($Q=I^2Rt$)の倍率:電流が約9.2倍になると、同一抵抗値での発熱量は 約85倍 に急増
- リチウム電池の短絡(ショート)時:内部抵抗が極小のため瞬時に 1,000A〜2,000A超 が流れ数秒で発火
許容電流の計算ミスと圧着端子の接触抵抗による発熱

直流12V回路に100A以上の大電流が流れるという事実を踏まえると、DIY初心者が最も陥りやすい2つの施工ミスが浮かび上がってきます。
1つ目のミスが、電線の太さを示す「SQ値(スケア=断面積 $\text{mm}^2$)」の選定誤りによる許容電流オーバーです。
カー用品店やホームセンターの電装コーナーで手軽に買える配線コードは「0.5sq〜2.0sq(許容電流約7A〜27A)」や、太くても「5.5sq〜8sq(許容電流約49A〜61A)」程度しかありません。
もし1,500Wのインバーター(最大約140A)に8sqの細いケーブルを繋いで連続稼働させると、電線が流せる限界の2倍以上の電流が押し込められるため、銅線自体が電熱線のように赤熱してビニル被覆が発煙・発火する事態を招きます。
また、安価なインバーターに付属している「ワニ口クリップ付きのケーブル」も、接触面積が点に近くわずかな電流しか流せないため、高出力運転には到底耐えられないでしょう。
そして2つ目の重大なミスが、電線の先端に取り付ける「丸形圧着端子(R端子)のカシメ不良による接触抵抗の増大」にほかなりません。
100A〜150Aを安全に流すには「22sq〜38sq(親指ほどの太さがある銅線)」を使う必要がありますが、この極太端子を家庭用のペンチやプライヤー、あるいはハンマーで叩いて潰しただけでは、内部の銅線と端子の間に目に見えない隙間が無数に残ってしまうのです。
隙間があると電気が通れる実質的な通り道が狭くなって「接触抵抗($R$)」が跳ね上がり、インバーターを動かした瞬間にその端子部分だけが300℃以上の高熱を持ってバッテリーの樹脂ターミナルを溶かしてしまいます。
第二種電気工事士の実務においても、14sqを超える太物電線の圧着には必ず「専用の油圧式圧着工具(数トンの圧力で規定の刻印で一体化する工具)」を使用し、さらに規定トルクでボルトを本締めすることが絶対のルールと言えるでしょう。
粗悪な生セルや保護基板の不在が引き起こす熱暴走
配線や端子の発熱以上に恐ろしいのが、リチウムイオンバッテリーの心臓部である「セル(単電池)」そのものが暴走して爆発的に燃え上がるリスクです。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公表した最新の事故統計によると、2020年から2024年までの5年間に通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は1,860件にのぼり、実にその約85%(1,587件)が火災事故に発展しているという深刻な実態が報告されています(出典:製品評価技術基盤機構(NITE)公式『「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント』)。
なぜリチウムイオン電池の事故はこれほど高い確率で火災に直結するのかというと、電池内部に「可燃性の有機電解液」が満たされているうえ、一度異常発熱が始まると酸素がなくても自ら燃焼し続ける「熱暴走(サーマルランアウェイ)」を起こす性質があるからでしょう。
特に知恵袋でもトラブルが頻発しているのが、海外通販等で安く売られている「青い角型生セル(4個を直列に繋いで12Vを作る部品)」や、出所不明の「電動工具用・非純正互換バッテリー」を使ったDIYです。
こうした格安生セルのなかには、工場での検査落ち品(Bグレード品)や中古再生セルが紛れ込んでいるケースが少なくなく、セルごとに内部抵抗や容量のバラつきが存在します。
もしこれらを高精度な「BMS(バッテリーマネジメントシステム)」なしで充放電すると、4つのセルのうち1つだけが上限電圧(3.65Vや4.2V)を突破して過充電となり、負極に金属リチウムの針状結晶(デンドライト)が析出して内部絶縁膜を突き破る内部短絡が発生するのです。
また、氷点下になる冬の車中泊で「低温充電遮断機能」がない安価なBMSを使って充電した場合も、同様にデンドライトが発生して突然の発火を招く原因となります。
これに対し、大手メーカーの市販ポータブル電源は、熱安定性に優れた「リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)」のAグレード均一セルのみを採用し、1秒間に何十回も全セルの電圧と温度を監視して異常時に即座に回路を切る多重保護BMSを搭載しているため、素人のDIYとは安全の次元が根本から異なるのです。
車内の走行振動や夏場の高温環境がもたらす絶縁破壊
さらに、家庭の部屋に置いておく据え置きバッテリーと、車中泊の車内に積むポータブル電源・サブバッテリーとでは、置かれる環境の過酷さがまったく違います。
車中泊仕様の軽バンやミニバンで日本各地を旅するとき、荷室のバッテリーには「走行中の絶え間ない路面振動と段差の衝撃」、そして「夏場の車内温度上昇」という2つの物理ストレスが襲いかかるからです。
総務省消防庁のリチウムイオン電池総合対策ポータルでも、火災事故の主な出火原因として「外部からの激しい衝撃」「車内など高温下での放置・使用」「非純正バッテリーの使用」の3点が重点的に警告されています(出典:総務省消防庁公式『リチウムイオン電池総合対策ポータル 火災事故について』)。
たとえば、ホームセンターで買ったプラスチックの工具箱や木箱にバッテリーとインバーターを詰め込んで自作した場合、数千キロを走行するうちに微細な振動でターミナルのナットが少しずつ緩んでいきます。
ナットが緩んだ状態でインバーターに大電流を流すと、端子とナットの隙間でチリチリと小さな火花(スパーク)が飛び続け、やがて箱の内部で発火に至るケースが珍しくありません。
しかも、自動車のボディ(床や壁の鉄板、シートの金属フレーム)はすべて車のメインバッテリーのマイナス極と繋がった「ボディアース」の構造になっています。
つまり、自作サブバッテリーから引き出したプラス配線が、走行振動によって荷室の鉄板の角やビスの先端と擦れて被覆が破れた瞬間、車体の鉄板を通じてマイナス極へ直結する「ボディアース短絡(大電流ショート)」が発生するのです。
加えて、真夏の炎天下に駐車した車内は室温が55℃〜70℃近くまで上昇するため、放熱設計や高温遮断センサーを持たない自作バッテリーボックスを車内に積みっぱなしにすることは、火災リスクを自ら高める行為と言わざるを得ません。
車載環境で安全に電気を使うには、耐震試験や落下試験、そして高温・低温時の自動シャットダウン保護をクリアした車中泊対応の電源システムを選ぶことが何よりの防衛策になります。
知恵袋で学ぶポータブル電源自作バッテリーの危険性

ここまで、知恵袋などで報告されている自作バッテリーの発火トラブルと、その裏にある直流大電流や熱暴走の物理メカニズムを確認してきました。
それでもなお、「安全対策をしっかり行ったうえで自作すれば、市販のポータブル電源を買うより安く済むのではないか」と考える方もいらっしゃるでしょう。
そこで後半では、第二種電気工事士の基準で安全に自作した場合の実質総額と市販リン酸鉄モデルの比較表、さらには火災時の保険リスクや必須の保護機材を解説します。
自作システムと市販リン酸鉄モデルの安全性と費用比較
「ポータブル電源は自作したほうが安い」という話は、実は市販のポータブル電源が1Whあたり150円以上と高価だった数年前の古い常識にすぎません。
現在はEcoFlowやJackery、BLUETTI、Ankerといった大手メーカーがリン酸鉄リチウム電池を量産しているため、セール時期には1,000Wh〜1,500Whクラスが6万円台〜9万円台で手に入るようになりました。
一方で、同等の「容量1,280Wh・定格1,500W」のシステムを安全な部品と工具を揃えてゼロから自作すると、バッテリー単体だけでなく、正弦波インバーター、充電器、極太ケーブル、ヒューズ、専用油圧工具まで買い揃える必要があり、合計で10万円〜13万円以上かかってしまうのが現実です。
しかも、それだけのお金と労力をかけても、出来上がるのは総重量25kgを超える持ち運び困難な箱であり、ACコンセントから1時間で満充電できる市販ポータブル電源のような急速充電機能やアプリ連携も付いてきません。
さらに見逃せないのが廃棄処分の問題であり、自作した大型リチウム電池は自治体でも引き取りを拒否される例が多いのに対し、主要メーカーの市販品なら無料回収窓口で安全に手放せるという大きな差があります。
以下の2つの比較表で、自作と市販品のコスト内訳および安全性能を比べてみてください。
| 比較項目 | 自作バッテリーシステム(1,280Wh+1,500W) | 市販リン酸鉄ポータブル電源(1,000〜1,500Wh) |
|---|---|---|
| 実質トータル費用 | 約95,000円〜135,000円(周辺部品・工具含む) | 約65,000円〜110,000円(セール時・工具不要) |
| 発火・短絡への安全性 | 圧着不良や配線擦れによる火災リスクが常にある | 多重BMS・温度監視・難燃外装で安全基準をクリア |
| AC急速充電の速度 | 外付け充電器で満充電まで約5時間〜8時間 | 双方向インバーター内蔵で約1時間〜1.5時間で満充電 |
| 保証と寿命後の廃棄 | システム保証なし・自治体で回収拒否されやすい | 最大5年保証付き・メーカー無料回収窓口あり |
| 自作に必要な構成パーツ | 安全なスペック基準 | 実売価格の目安 | ケチった場合の危険性 |
|---|---|---|---|
| 12Vリン酸鉄バッテリー | 100Ah(BMS内蔵完組品) | 約38,000〜55,000円 | 格安生セルは過充電で膨張・熱暴走 |
| 正弦波インバーター | 定格1,500W・保護回路付き | 約22,000〜35,000円 | 矩形波や粗悪品は家電故障・基板焼損 |
| 専用AC充電器・MPPT制御器 | リン酸鉄14.6V専用品 | 約18,000〜28,000円 | 鉛用充電器の流用は電圧不適合で危険 |
| KIV電線・ヒューズ・油圧工具 | 22〜38sq電線+ANLヒューズ | 約15,000〜22,000円 | 細線やペンチ圧着は端子溶融・火災直結 |
電気用品安全法の基準と車両火災時の自動車保険リスク
ポータブル電源やサブバッテリーを自作するにあたって、技術的な発火リスクと同じくらい知っておくべきなのが「法律(電気用品安全法)」と「万が一の車両火災時における自動車保険・損害賠償リスク」の2点です。
まず法律面について解説すると、日本国内では電気用品安全法(PSE法)によって、一定基準以上のリチウムイオン蓄電池(単電池の体積エネルギー密度が400Wh/L以上のモバイルバッテリー等)やACアダプター・充電器を製造・輸入して販売する際には、国の安全基準を満たした「PSEマーク」の表示が義務付けられています。
個人が完全に自分自身で使うためだけにバッテリーを組み立てる行為自体は直ちに違法とはなりませんが、自作したポータブル電源や改造バッテリーをフリマアプリやオークション等で第三者に販売・譲渡する行為は、電気用品安全法違反や製造物責任法(PL法)上の重大な責任を問われるため絶対に行わないでください。
そして、あなた自身の生活に直接関わるさらに深刻な問題が、自作バッテリーが原因で愛車や自宅ガレージが燃えてしまった場合の「保険と賠償」にほかなりません。
市販の正規メーカー製ポータブル電源であれば、万が一製品自体の初期不良や欠陥によって火災が起きた場合でも、メーカーが加入している生産物賠償責任保険(PL保険)やメーカー保証の対象となります。
しかし、自分で配線・改造した自作バッテリーから出火して車両火災になった場合、当然ながらパーツメーカーからは「施工不良・改造による自己責任」として一切補償を受けられないばかりか、自動車保険(車両保険)でも「重大な過失や不適切な改造に起因する損害」と判断されれば保険金が支払われない恐れがあるのです。
さらに、道の駅やオートキャンプ場、立体駐車場などで自作バッテリーから火災を起こし、隣に停まっていた他人の車や施設に延焼させてしまった場合の精神的・経済的ダメージは計り知れません。
数万円の初期費用を浮かせようとして、数百万円の愛車と周囲への安全、そしてメーカー保証という大きな安心を手放してしまうのは、リスクとリターンが見合わない選択と言えるのではないでしょうか。
どうしても組む際に必須となるヒューズと専用工具

ここまでのリスクと費用を比較したうえで、それでも「軽バンやハイエースの床下に据え置き型の12Vサブバッテリーを構築したい」という方もいらっしゃるかもしれません。
もし車載サブバッテリーの配線DIYに挑戦するのであれば、知恵袋の失敗談を繰り返さないために、第二種電気工事士として「絶対に省略してはならない4つの安全鉄則」をお伝えします。
まず1つ目の鉄則は、むき出しの生セルを自分で繋ぐのではなく、必ず頑丈なケースに収められ、過充電・過放電・低温充電保護BMSが内蔵された「12Vリン酸鉄リチウムイオン完組バッテリー」を選ぶことです。
次に2つ目の鉄則として、バッテリーのプラス端子から「30cm以内の最も近い場所」に、電線の許容電流に合わせた「ANLヒューズ」を取り付けてください。
初心者はインバーターの近くにヒューズを置きがちですが、ヒューズよりもバッテリーに近い上流側の配線が鉄板と擦れてショートした場合、バッテリー直近にヒューズがないと電流を遮断できずに配線全体が燃え上がってしまうからです。
そして3つ目の鉄則は、1,500Wクラスのインバーターには「22sq〜38sqのKIV電線」を選び、JIS規格の丸形圧着端子を「油圧式圧着工具」で確実にカシメて熱収縮チューブで絶縁することでしょう。
最後の4つ目の鉄則として、全配線を難燃性のコルゲートチューブで覆って鉄板エッジとの接触を防ぎ、バッテリー本体も急ブレーキで動かないよう床面へベルト等で固定してください。
第二種電気工事士が実践するサブバッテリー火災防止4大チェックリスト
- セル選定の安全化:生セルや互換電池は使わず、保護BMS内蔵の12Vリン酸鉄完組バッテリーを採用する
- 最短30cm以内ヒューズ:プラス端子から30cm以内に定格150A〜200A等のANLヒューズと遮断スイッチを設置する
- 適正SQ値と油圧圧着:22sq〜38sqのKIV電線とJIS丸形端子を油圧式圧着工具でカシメ、規定トルクで締める
- 二重絶縁と耐震固定:配線を難燃コルゲートチューブと端子キャップで保護し、走行振動で動かないよう固定する
ポータブル電源の自作や安全性に関するよくある質問
ここでは、「ポータブル電源 自作 バッテリー 危険性 知恵袋」と検索している読者のあなたから特によく寄せられる疑問を、Q&A形式でまとめました。
手持ちのバッテリーの扱いや、安全な電源選びの最終チェックとして役立ててください。
Q1. マキタなどの電動工具用バッテリーに市販のアダプターを付けてポータブル電源代わりにするのは安全ですか?
A. 純正バッテリーと純正アダプターでスマホを充電する程度なら問題ありませんが、ネット通販の安価な「非純正・互換バッテリー」を使うのは火災事故が多発しているため非常に危険です。互換バッテリーはセルごとの過充電監視や温度保護が省略されているものが多く、NITEや消防庁からも重大な発火リスクが警告されています。
Q2. ポータブル電源やサブバッテリーを自作するのに「電気工事士」の資格は必要ですか?
A. 電気工事士法上、直流60V以下・交流30V以下の低圧回路や自動車内の12V/24V配線作業には、法的な資格義務はありません。しかし、資格が不要だからといって物理的に安全なわけではなく、直流100A超の回路では住宅の100V配線以上に厳密な許容電流計算と油圧圧着スキルが求められる点に注意が必要です。
Q3. 昔ながらの「ディープサイクル鉛バッテリー」で自作すればリチウムより安全で安いですか?
A. 鉛バッテリーは熱暴走しにくい反面、充電時に引火性の水素ガスが発生するほか、実質的に使える電気量がカタログ容量の半分(約50%)しかなく、300〜400サイクル程度で寿命を迎えます。約3,000〜4,000サイクル使えて安全性も高い「市販のリン酸鉄(LiFePO4)ポータブル電源」を選んだほうが、1回あたりのコストは3分の1以下に抑えられます。
Q4. 市販のポータブル電源に、外部の12Vリン酸鉄バッテリーを繋いで容量を拡張するのはアリですか?
A. ポータブル電源のソーラー入力端子(XT60ポート等)には電流制限の制御回路が入っているため、インバーター直結の自作に比べればリスクは抑えられます。ただし、極性の逆接続や発熱を防ぐため、メーカー純正の拡張バッテリーや走行充電器を使う方法が確実です。
疑問を解消したうえで、あなたの車中泊スタイルに合った無理のない電源環境を選んでいきましょう。
ポータブル電源自作バッテリーの危険性と知恵袋まとめ

今回は、ポータブル電源や車載サブバッテリーを自作する際の危険性と知恵袋で相次ぐ失敗事例について、第二種電気工事士の視点から詳しく解説してきました。
知恵袋で多くの経験者がDIYに警鐘を鳴らしている最大の理由は、直流12V回路で1,000W〜1,500Wの家電を動かすと「100A〜140A以上」もの大電流が流れ、家庭用100Vコンセントとは比較にならない発熱リスクが生じるからにほかなりません。
具体的には、①電線の太さ(SQ値)不足による被覆の溶融、②油圧工具を使わない圧着不良による端子の高熱化、③BMS不在や粗悪な生セル・互換電池による熱暴走、④走行振動によるボディアース短絡という4つの火災リスクが常に背中合わせとなっています。
しかも、これらを防ぐために22sq〜38sqの極太KIV電線やANLヒューズ、正弦波インバーター、専用充電器、油圧圧着工具まで正しく買い揃えると、トータル費用は10万円〜13万円を超えてしまうのです。
それならば、最初からBMS保護回路・急速充電・正弦波インバーター・難燃ボディが一体になり、セール時には6万円台〜10万円前後で買える「大手メーカーの市販リン酸鉄ポータブル電源」を選ぶほうが、費用面でも安全面でも遥かに賢明な選択と言えるでしょう。
さらに市販の正規モデルであれば、最大5年間のメーカー保証が受けられるだけでなく、将来寿命を迎えた際にも自治体の回収拒否に悩まされることなくメーカーの無料回収窓口へスムーズに引き渡せるという安心感も手に入ります。
私自身、軽バンで年間50泊以上の車中泊を続けていますが、電装系だけは絶対に無理なコストカットをせず、安全基準をクリアしたリン酸鉄ポータブル電源を主軸に据えたことで、どんな季節でも安心して熟睡できるようになりました。
ぜひあなたも、危険な自作トラブルで大切な愛車や思い出を失うことがないよう、信頼できるリン酸鉄ポータブル電源を取り入れて安全で自由なバンライフを楽しんでくださいね。
まずは各大手メーカーが開催している期間限定セールやクーポン情報をチェックして、あなたの車中泊スタイルにぴったりの1台を探してみてはいかがでしょうか。


