こんにちは。車中泊バンライフ 運営者の「ホシ」です。

軽バンやハイエースで車中泊の旅を続けていると、必ず直面するのが「水回り」の不便さです。

道の駅やキャンプ場の炊事場まで毎回歩いていくのは、特に冬場の冷え込む夜や雨の日には想像以上のストレスになります。

車内にちょっとした手洗いや歯磨き、マグカップをすすげる程度の流し台(ギャレー)があれば、車中泊の快適度は劇的に向上します。

しかし、キャンピングカービルダーに本格的なギャレー施工を依頼すると数十万円の費用がかかり、手軽なキットでも数万円はくだりません。

そこで本記事では、ホームセンターで手に入る材料と12Vの電動水中ポンプを使い、初心者でも失敗せずに数千円〜1万円台で本格的なギャレーを自作する手順を徹底解説します。

水漏れを防ぐ配管のコツから、ポータブル電源を使った安全な配線、そして車検に通るための積載ルールの法的根拠まで、私の実体験に基づくすべてのノウハウを詰め込みました。

この記事を最後まで読めば、あなたの車中泊スタイルに最適な、最高に使い勝手の良いマイ・ギャレーが必ず完成するはずです。

この記事のポイント

  • 12V電動水中ポンプとポータブル電源を直結させた高効率な配線手順
  • 走行中の水漏れやホース抜けを完全に防ぐ配管とホースバンドの活用法
  • 夏場の悪臭逆流を防ぐS字トラップの仕組みと衛生的なタンク管理術
  • 国土交通省の基準に適合する「積載物扱い」での安全なギャレー固定法
れいちゃん
れいちゃん
車の中に水道があるなんて憧れるけど、DIY初心者の私でも水漏れさせずに作れるかな…?木を切ったり配線したり、難しそう。
ホシ
ホシ
安心してください。木材のカットはホームセンターで頼めますし、水漏れは「ホースバンド」という数百円の金具を一つ使うだけで100%防げます。電気配線もギボシ端子を使えば小学生の工作レベルで安全に完結しますよ!

車中泊ギャレー流し台を自作するメリットと必要なパーツ

車中泊ギャレー流し台を自作するメリットと必要なパーツ

ギャレーの自作を始める前に、まずはなぜ「電動ポンプ式」のギャレーを自作するのが最適解なのか、その理由を明確にしておきましょう。

手動のポンプや重力式のウォータージャグとは異なり、電動ポンプを使うことで自宅の水道と全く同じ感覚で水を使うことができます。

ここでは、自作のメリットと、システムを構築するために絶対に必要な基本パーツの選定基準について詳しく解説していきます。

車内で水が使える圧倒的な快適さと自作のメリット

車中泊において、車内に独立した水回りシステムを持つことは、単なる便利さを超えた「安心感」をもたらします。

例えば、早朝に目覚めてコーヒーを淹れたい時、外が土砂降りの雨であっても、一歩も車外に出ることなくマグカップをすすぎ、顔を洗うことができます。

また、昨今のキャンプブームにより、週末の道の駅やキャンプ場の水場は非常に混雑していることが多く、水汲みや手洗いの順番待ちが発生することも珍しくありません。

ギャレー導入方法の比較表

DIY自作(電動)

費用:約1.5万円
自由度:極めて高い
作業時間:週末1〜2日
特徴:車種に合わせたミリ単位の寸法調整が可能。

市販キット購入

費用:5万〜8万円
自由度:中程度
作業時間:数時間
特徴:組み立てるだけで見栄えは良いが、汎用品のため隙間ができる。

ビルダー施工

費用:20万円〜
自由度:極めて高い
作業時間:1ヶ月〜
特徴:完璧な仕上がりと車検対応だが、予算のハードルが非常に高い。

このように比較してみると、費用対効果の面でDIY自作が圧倒的に優れていることが分かります。

自分で木材を採寸して設計すれば、エブリイ(DA17V)のような軽バンの限られた荷室スペース(幅約1300mm)であっても、就寝スペースを一切犠牲にすることなく、タイヤハウスの上のデッドスペースなどにピッタリと収まるキャビネットを作ることができます。

さらに、万が一ポンプが故障したりホースが劣化したりした場合でも、自作であれば構造をすべて理解しているため、ホームセンターですぐに部品を調達して自分自身で修理(メンテナンス)ができるという点は、長期間のバンライフにおいて計り知れないメリットとなります。

給水用と排水用のポリタンクの選び方と設置寸法の極意

ギャレーシステムの中核となるのが、清水(きれいな水)を入れておく給水タンクと、使用済みの水を受ける排水(グレーウォーター)タンクです。

初心者がよくやってしまう失敗が、「大は小を兼ねる」と考えて20リットルクラスの巨大なポリタンクを買ってしまうことです。

水は1リットルで1キログラムの重さがあるため、20リットルのタンクが満水になると20キログラムという凄まじい重量になります。

これを狭い車内から外へ持ち出し、炊事場まで運んで洗浄・給水する作業は、腰への負担が大きく、やがて水を使うこと自体が億劫になってしまいます。

【タンク選定の最適解】10Lの広口ウォータージャグを2つ用意する

軽バン車中泊における最適解は、給水用と排水用にそれぞれ10Lのタンクを用意することです。10kgであれば片手でも楽に持ち運べますし、歯磨きや洗顔、マグカップのすすぎ程度であれば、ソロ車中泊で2〜3泊は十分に持ちます。

また、給水用のタンクを選ぶ際には、必ず「広口タイプ(フタの直径が10cm以上あるもの)」を選んでください。

フタが小さなポリタンクでは、中に電動水中ポンプを入れることができませんし、何よりタンクの内部に手を入れてスポンジでゴシゴシと洗うことができないため、夏場はすぐにヌメリやカビが発生して不衛生極まりない状態になります。

寸法的な観点からも、一般的な10Lタンクは幅が約300mm、奥行きが200mm程度に収まるため、木製キャビネットの奥行きを350mm前後に設計すれば、スッキリと内部に格納することができます。

排水タンクに関しては、給水タンクと同じ容量か、それよりも少し大きめの容量にしておくと、「給水タンクが空になる前に排水タンクが溢れて車内が水浸しになる」という最悪の事態を物理的に防ぐことができます。

(出典:JAF クルマの安全に関するアドバイス(車内衛生と積載物の注意点))

12V電動水中ポンプの選定とポータブル電源の配線理論

ギャレーの心臓部となるのが「ポンプ」と「電源」です。

手で押し下げるタイプの手動ポンプや、USB充電式の簡易ポンプも安価で売られていますが、これらは水圧が弱すぎたり、片手が塞がってしまったりするため、本格的なギャレーとしての実用性は高くありません。

ここでは、自宅の水道のように安定して水を出し続けることができる「12V電動水中ポンプ」の仕組みと、ポータブル電源を安全に組み合わせるための電気的な理論について深掘りします。

まず、水中ポンプを選ぶ際に最も重要なスペックが「揚程(ようてい)」と「吐出量」です。

揚程とは、ポンプが水を下から上へ押し上げるパワー(高さ)のことを指します。

エブリイなどの軽バンであっても、床に置いたポリタンクの底から天板の上に設置した蛇口の先端までは、おおよそ70cm〜90cmの高低差があります。

もし「揚程1m」といった非力なポンプを選んでしまうと、ホースの中を水が登っていく途中で水圧が負けてしまい、蛇口からはチョロチョロとしか水が出ないという失敗に直面します。

ポンプ選定の絶対条件

  • 揚程:最低でも「2m〜3m」以上のスペックを選ぶこと。
  • 吐出量:毎分「5L〜10L」程度のものを選ぶこと(多すぎるとすぐに水がなくなる)。
  • 動作音:就寝中の周囲への配慮として、できるだけ静音タイプを選ぶこと。

次に、電源の取り方です。車中泊ではJackeryやEcoFlowなどのポータブル電源を持参する方が多いと思います。

ポータブル電源には「AC100V(家庭用コンセント)」と「DC12V(シガーソケット)」の出力がありますが、ポンプを動かす際は必ずDC12Vの水中ポンプを購入し、ポータブル電源のシガーソケット端子から給電してください。

家庭用の100VポンプをACコンセントから動かす場合、ポータブル電源の内部で直流(DC)から交流(AC)へと変換するインバーターが稼働します。

このインバーター変換時には約10%〜20%の熱ロス(電力ロス)が発生し、さらにインバーターの冷却ファンが「ブーン」という騒音を出してしまいます。

最初からDC12V仕様のポンプを使えば、変換ロスをゼロに抑えることができ、電気毛布など他の家電を使うための貴重な電力を温存することができるのです。

ステンレスシンクとスイッチ付き折りたたみ蛇口(フォーセット)

ステンレスシンクとスイッチ付き折りたたみ蛇口(フォーセット)

キャビネットの天板に設置する「シンク(ボウル)」と「蛇口」は、ギャレーの見栄えと使い勝手を決定づける重要なパーツです。

シンクの材質にはプラスチックやホーローなどもありますが、衛生面と耐久性を考慮すると、絶対に「ステンレス製(SUS304)」をおすすめします。

キャンピングカー用の小型ステンレスシンクはネット通販で数千円で手に入ります。

ここで重要なのは「サイズ感」です。家庭用のキッチンのような直径40cmクラスのシンクを設置してしまうと、天板の作業スペース(まな板を置くスペースなど)が全く無くなってしまいます。

軽バンのギャレーであれば、直径260mm〜300mm程度、深さ100mm〜130mm程度の小型ボウルがベストバランスです。

スイッチ付き蛇口のメリットと配線の仕組み

キャンピングカー専用の「マイクロスイッチ付き蛇口(フォーセット)」を導入しましょう。

これは、蛇口のレバーをひねって水を出そうとする動作に連動して、内部の電気スイッチが「ON」になる特殊な蛇口です。
ポンプ、ポータブル電源、そしてこの蛇口から出ている2本の配線を「直列」に繋ぐことで、「蛇口をひねった時だけポンプが回って水が出る」という、家庭の水道と全く同じフルオートシステムを構築できます。

また、車中泊特有の事情として「車内空間の圧迫」があります。

一般的な家庭用のような背の高い蛇口を設置してしまうと、就寝時に寝返りを打った際などに足や腕が引っかかり、怪我をしたり蛇口が折れたりする危険があります。

そのため、蛇口は必ず「折りたたみ式(フォーセットが根元からパタンと横に倒れるタイプ)」を選び、使わない時は天板の高さいっぱいにフラットになるように設計してください。

ギャレー土台となる木材選びと防水塗料(ウレタンニス)の必須性

ギャレーシステムを格納し、シンクを固定するための「土台(キャビネット)」の製作は、DIYの醍醐味であると同時に、最も失敗が多い工程でもあります。

木材選びにおいて、ホームセンターで最も安価な「OSB合板(木片を固めた板)」や「カラーボックスの廃材」などを使うのは絶対に避けてください。

OSB合板は水濡れに極めて弱く、一度水が染み込むとパンパンに膨張してボロボロに崩れてしまいます。

おすすめは、加工がしやすく見た目も美しい「パイン集成材」や、軽くて頑丈な「ファルカタ集成材(厚さ15mm程度)」です。

そして、木材を買ってきたら、組み立てる前に絶対にやらなければならないのが「徹底した防水処理」です。

水回りの木工において、防水処理を怠ると数ヶ月で黒カビが発生し、車内に腐敗臭が充満することになります。

防水処理には、水に強い「油性ウレタンニス」または「水性ウレタンニス」を使用します。

刷毛(はけ)を使って全体にまんべんなく塗るのですが、一度塗りでは木材が塗料を吸い込んでしまい、防水被膜が形成されません。

必ず「一度塗って乾かす → 細かいサンドペーパー(400番程度)で表面を軽く削る → 二度目を塗る → 乾かす → 三度目を塗る」という3度塗りの工程を徹底してください。

特に、天板にシンクをはめ込むためにジグソー(電動ノコギリ)で丸く切り抜いた「断面(切り口)」は、最も水が染み込みやすい弱点です。

この断面には、ニスが垂れるほどたっぷりと、執拗なまでに塗り込んで完全な防水バリアを作ってください。

れいちゃん
れいちゃん
ニス塗りって時間がかかるし面倒くさいなあ…。防水シートみたいなのを貼るだけじゃダメなの?
ホシ
ホシ
防水シート(リメイクシートなど)も表面の防水には有効ですが、シートの「継ぎ目」や「端っこ」から毛細管現象でジワジワと水が裏側に回り込み、気づかないうちに内部が腐るリスクがあります。確実なのはやはりウレタンニスの重ね塗りですね!

電動ポンプを使った車中泊ギャレー(流し台)の自作手順と安全対策

パーツの選定と土台作りが終わったら、いよいよ心臓部である配管と配線の組み込み作業に入ります。

ここから先の工程は、単なる工作から「設備工事」へとレベルアップします。

配線を一つ間違えればポータブル電源を壊してしまうショート事故に繋がり、配管が甘ければ走行中に車内が水浸しになる大惨事を招きます。

焦らず、確実な安全対策を施しながら、プロフェッショナルな仕上げを目指してステップ・バイ・ステップで進めていきましょう。

水漏れと悪臭を完全に防ぐ給排水ホースの接続(S字トラップ)

ギャレーシステムにおいて、最もトラブルが多いのが「配管(ホース)」の接続部分です。

よくある素人のDIYで、ポンプの吐出口や蛇口のパイプに、買ってきたシリコンホースを「ただギュッと差し込んだだけ」で完成としている事例を見かけます。

これは時限爆弾を抱えているのと同じです。電動ポンプのスイッチを入れた瞬間、水圧が急激にかかるウォーターハンマー現象が起き、ホースがスッポ抜けて車内に水が噴き出します。

水漏れと悪臭を防ぐ配管の3ステップ

1

適切な内径のホース選定

ポンプと蛇口の接続口(タケノコ外径)をノギスで正確に測り、外径より1〜2mm小さい内径のシリコンホースを選ぶ。無理やり押し込むくらいが密着して抜けにくい。

2

ステンレス製ホースバンドによる締結

接続部には必ずSUS304ステンレス製のネジ式ホースクランプ(ホースバンド)を通し、ドライバーでゴムが少し食い込むまで強固に締め付ける。これで水圧によるスッポ抜けを100%防ぐ。

3

排水ホースの「S字トラップ」構築

シンクから排水タンクへ向かうホースをピンと張るのではなく、わざと長めにして「U字」または「S字」にたるませて固定する。ここに少量の水(封水)が溜まることで、タンクからの悪臭逆流を物理的に遮断する。

特に、3番目の「S字トラップ」の構築は、夏の車中泊において生死を分けるほど重要なポイントです。

排水タンクの中には、歯磨き粉や食べかすが混じったグレーウォーターが溜まります。

夏の車内温度は日中50度を超えることもあり、排水タンクの中は雑菌の温床となって凄まじい腐敗臭を発します。

もしトラップ(封水)がない一直線のホースのままだと、この強烈な悪臭がホースを伝ってシンクの排水口から車内に直接吹き出してきます。

家庭の洗面台の下を開けると、パイプが必ずクネッと曲がっているのと同じ原理を、車中泊ギャレーのホースにも必ず再現してください。

12V電動ポンプとポータブル電源の安全な配線(直列回路)

12V電動ポンプとポータブル電源の安全な配線(直列回路)

配管の次は、いよいよ電気配線です。

配線の目標は、「ポータブル電源(シガーソケット)」→「蛇口のマイクロスイッチ」→「12V水中ポンプ」という直列回路を作ることです。

ここで用意すべき工具は、電工ペンチ、ギボシ端子、そして熱収縮チューブです。

絶対にやってはいけないのが、配線の被覆を剥いて導線同士を指でネジって絡ませ、上からビニールテープを巻いただけの「素人配線」です。

車中泊の走行中は常に激しい振動が発生するため、テープはすぐに剥がれ、むき出しになったプラスとマイナスの配線が接触してショート(短絡)し、ポータブル電源の故障や、最悪の場合は車両火災の原因となります。

配線の種類 接続先 処理方法
プラス線(赤) シガープラグ(+) → 蛇口スイッチ → ポンプ(+) 途中で切断し、蛇口の2本の線を間に割り込ませてギボシ圧着
マイナス線(黒) シガープラグ(-) → ポンプ(-) 切断せずにそのままポンプへ繋ぎ、ギボシ圧着
防水絶縁処理 すべてのギボシ端子接合部 熱収縮チューブを被せ、ヒートガン等で密着防水

配線が完了したら、ポータブル電源にシガープラグを挿し込み、蛇口のレバーをひねってみてください。

レバーの動きに連動して「カチッ」とスイッチが入り、ポンプが「ウィーン」と水を汲み上げてシンクに吐き出せば、大成功です。

れいちゃん
れいちゃん
電気の配線って難しそうだったけど、プラス線(赤色)の途中に蛇口のスイッチを割り込ませるだけでいいんだね!これなら私にもできそう!
ホシ
ホシ
その通りです!回路としては中学校の理科で習う「豆電球とスイッチの直列回路」と全く同じです。ただ、水濡れによるショートだけは本当に怖いので、熱収縮チューブでの防水処理だけは絶対にサボらないでくださいね。

車検に通るための合法的かつ安全なギャレーの固定方法

ギャレーシステムが完成し、いざ車内に設置する際に、絶対に知っておかなければならない「法律(保安基準)」があります。

完成した立派な木製キャビネットを、走行中に倒れないようにと、電動ドライバーを使って車の床板(フローリング等)や内張りパネルに「木ネジ(ビス)やL字金具でガッチリと完全固定」してしまう人が後を絶ちません。

これは、車検時に「積載物ではなく、車体に恒久的に取り付けられた架装(指定部品以外の恒久的取付)」とみなされ、構造変更検査を受けなければ車検不適合(アウト)になるという極めて高いリスクを孕んでいます。

(出典:国土交通省 自動車検査・登録ガイド)

軽バンを4ナンバー(貨物車)や5ナンバー(乗用車)のまま維持し、通常の車検に合格させるためには、ギャレーはあくまで「手で降ろせる荷物(積載物)」としての扱いを維持しなければなりません。

車検に適合する合法的な固定方法の例

  • 蝶ネジ(蝶ボルト)の使用:工具を使わず、素手で回して取り外せるネジ(ボルト)を使用して床や側面のユーティリティナットに固定する。
  • タイダウンベルトによる縛着:荷室のフック(Dリング)からラッシングベルト等を通し、キャビネットを縛って固定する。
  • ターンバックルの活用:金具同士を引っ張り合わせてテンションをかけることで、素手で緩められる強固な固定を実現する。

「手で工具なしに外せる状態」であれば、それは法律上「ただの重い荷物を積んでいるだけ」と解釈されるため、車検時にギャレーを丸ごと車外に降ろすか、あるいは乗せたままでも積載物としてパスできる可能性が非常に高くなります。

もちろん、急ブレーキや事故の際に重いポリタンクが入ったギャレーが後頭部に飛んできたら命に関わるため、「固定しない(ただ置くだけ)」というのは論外です。

「強固に固定するが、工具なしで外せる仕組みにする」という矛盾を解決することが、DIY車中泊バンライファーの腕の見せ所と言えるでしょう。

車中泊用自作ギャレーに関するよくある質問(FAQ)

ギャレーの自作に関して、私のブログやYouTubeに寄せられる多くの質問の中から、特に重要で共通する疑問をピックアップして回答します。

これからDIYに挑戦する方は、ぜひ事前に目を通して失敗のリスクを減らしてください。

Q1. 冬の車中泊でタンク内の水やポンプが凍結して壊れることはありませんか?

A. 氷点下になる過酷な環境での車中泊(スキー場での車中泊など)の場合、ポリタンク内の水が凍結するだけでなく、ポンプ内部やホースの中に残った水が凍って膨張し、ポンプのモーターケースを破壊したりホースを破裂させたりするリスクが非常に高いです。対策としては、就寝前にポンプを空回ししてホース内の水を完全に抜き切るか、そもそも氷点下が予想される夜は水の使用を諦めてタンクを空にしておくのが最も安全な運用方法です。

Q2. 10Lタンクだと水がすぐに無くなりませんか?どれくらい持ちますか?

A. 個人の使用頻度にもよりますが、私の実体験では「朝の洗顔と歯磨き」「マグカップやシェラカップのすすぎ洗い」「夜の手洗い」といった用途に限定すれば、ソロ車中泊で2泊3日は十分に持ちます。ただし、車内でパスタを茹でてその鍋をガッツリ洗おうとすると、あっという間に5L以上の水を消費し、排水タンクもすぐに溢れてしまいます。車中泊の基本として「油汚れはキッチンペーパーで拭き取ってから軽くすすぐだけにする」というエコな運用ルールを徹底することが、少量の水で長く持たせる最大の秘訣です。

Q3. バッテリー直結(バッ直)や走行充電からポンプの電源を取ってもいいですか?

A. もちろん可能ですし、サブバッテリーシステムを組んでいる上級者であればそれが理想的です。ただし、車のメインバッテリーから直接電源を取る場合(バッ直)、切り忘れによるバッテリー上がりのリスクがあるため必ずヒューズと独立したスイッチを挟んでください。初心者の方は、面倒な配線工事が不要で、万が一ショートしても保護回路が働いて安全に遮断される「ポータブル電源のシガーソケット出力」を利用するのが最も安全で確実な方法です。

Q4. 排水(グレーウォーター)はどこに捨てればいいですか?

A. 車中泊マナーとして極めて重要な点です。排水タンクに溜まった水は、絶対に道の駅のトイレの洗面台や、キャンプ場の炊事場、側溝などに無断で捨ててはいけません。基本的には自宅まで持ち帰り、自宅のトイレや下水設備に流すのが鉄則です。長旅の場合は、RVパークやオートキャンプ場に設置されている「ダンプステーション(汚水処理施設)」を正しく利用して処理してください。

まとめ:車中泊 ギャレー 流し台 自作 ポンプで極上のプライベート空間を

ここまで、軽バンやハイエースで実現できる「電動ポンプを使った本格的なギャレーシステム」の自作方法について、部品の選び方から電気配線の理論、配管の安全性、車検対策まで徹底的に解説してきました。

最初は「木を切って組み立てるなんて難しそう」「電気の配線でショートしたらどうしよう」と不安に思っていた方も、一つ一つの工程の理屈を理解すれば、意外なほどシンプルで安全に構築できることがお分かりいただけたかと思います。

自作ギャレー成功のための絶対ルール総括

  • ポンプは揚程2m以上のDC12V仕様を選び、ポータブル電源と直結する
  • 水漏れを防ぐホースバンドと、悪臭を防ぐS字トラップは必須装備
  • 木材はウレタンニスを3度塗りし、切断面の防水を徹底する
  • 車体にビスで完全固定せず、蝶ネジ等で「積載物」として固定する

自作したギャレーから初めて自分の思い通りに水が出た瞬間の感動は、DIYをやった人にしか味わえない至福の体験です。

「歯を磨く」「顔を洗う」「コーヒーカップをすすぐ」といった日常の何気ない動作が、車内という秘密基地の中で完結するようになると、あなたの車中泊の旅はこれまでとは全く違う次元の快適さを手に入れることになります。

ホームセンターで部材を揃え、週末の2日間を使えば、あなただけの特別なギャレーは必ず完成します。

本記事の寸法や配線図を参考にしながら、ぜひ安全第一でDIYに挑戦し、最高のバンライフ空間を作り上げてください。

れいちゃん
れいちゃん
S字トラップとか、車検の積載物のルールとか、ただ作るだけじゃなくて安全に使い続けるための知識がいっぱい詰まってて勉強になった!
ホシ
ホシ
その知識こそが、トラブルのない楽しい車中泊旅を支える土台になります。世界に一つだけの自作ギャレーで、これからのバンライフを思う存分楽しんでくださいね!

【補足資料】ポータブル電源の消費電力(Wh)の具体的シミュレーション

【補足資料】ポータブル電源の消費電力(Wh)の具体的シミュレーション

最後に、ポータブル電源を使って電動ポンプを稼働させる際の、具体的な電気容量の計算方法(シミュレーション)について解説しておきます。

車中泊初心者の多くが「ポンプを使うとすぐにポータブル電源の充電が切れてしまうのではないか」と心配されますが、結論から言うと、ポンプの消費電力は非常に微小です。

例えば、一般的な12V小型水中ポンプの消費電力はおおよそ「15W〜20W」程度です。

これを1日に合計で「10分間(約0.16時間)」稼働させたとします。手洗いや歯磨きで1日10分も水を出しっぱなしにすることは稀ですが、あえて多めに見積もってみます。

消費電力量(Wh:ワットアワー)は、「消費電力(W) × 使用時間(h)」で計算できます。

20W × 0.16h = 約3.2Wh

これが1日にポンプが消費する電力量です。現在主流となっている小型ポータブル電源(Jackery 240など)の容量が「240Wh」であることを考えると、ポンプ単体の稼働によってバッテリーが空になることは実質的にあり得ません。

むしろ注意すべきなのは、冬の車中泊で併用する「電気毛布」や、夏の「車載冷蔵庫」の消費電力です。

車中泊における主要家電の消費電力目安(1泊分)

  • 12V電動ポンプ:20W × 10分 = 約3Wh
  • LEDランタン:5W × 6時間 = 約30Wh
  • スマホ充電(2台):15W × 2時間 = 約30Wh
  • 電気毛布(中設定):40W × 8時間 = 約320Wh

このように、冬場に電気毛布を使う場合は、最低でも「400Wh〜500Wh」以上のミドルクラスのポータブル電源が必要になってきます。

ご自身の車中泊スタイル(夏メインなのか、冬も行くのか)に合わせて、ポンプ以外の家電も含めたトータルの電力量をシミュレーションし、最適なポータブル電源を選んでください。